この記事によって、私は業界から追われることになるかも知れないが、勇気を持ってシャチハタの弱点について話そうと思う。
スタンプ台がなくてもポンポン押せるスタンプを浸透印というのだが、その中でシャチハタのXスタンパーは質実共にナンバーワンの実力を誇っており、その牙城を崩すメーカーはいまだ存在しない。
浸透印界に盤石の基盤を築いたシャチハタXスタンパーであるが、実はそのXスタンパーに弱点があるとしたらどうだろう?
これからお伝えする内容は極秘情報である。あなたの安全のため、ここから先はブラウザのウインドウを小さくして読み進めていただきたい。
シャチハタの弱点を検証する。
シャチハタの弱点を検証するために、極秘裏に2つのXスタンパーを制作してみた。
見てのとおり、通常のデザインのものと、それを反転したものだ。
普通に捺印してみる。
それでは、実際に捺印してみることにする。
どちらも、まずまずの印影が得られた。
特に問題はなさそうだ。
強めに捺印してみる。
では、先程よりも少し強めに押してみることにする。
通常のパターンについては、インクのニジミによって文字が太くなったものの判読は可能だ。
一方、反転したパターンについては、細い線がつぶれてしまった。
インクのニジミによって細い線がつぶれる。これはシャチハタの弱点と言ってよいだろう。
弱めに捺印してみる。
先程とは反対に、弱めに押してみることにする。
通常のパターンは大して変化がないが、反転パターンのベタ塗り部分はひどくかすれてしまった。文字の判読も難しいほどだ。
ベタ塗りの部分が多いデザインや白抜き文字が含まれるデザインの場合は、捺印する際の力加減が非常に難しくなる。例えばスタンプラリーなどに使用する場合、参加者に絶妙の力加減を要求するのは酷というものであろう。
これもシャチハタの弱点として認定しておこう。
印面に付いたゴミの影響について
スタンプを使用しているうちに、印面にゴミが付着することは避けられないことである。付着したゴミが、捺印時にどのように影響するのかを検証してみよう。
印面に1ミリ程度の紙ゴミを付着させてみた。この状態で普段どおりに捺印してみよう。
反転したパターンは、ゴミの影響が大きく出てしまう(目立つ)ようだ。ゴミだけでなく、その周りも広くカスレている様子が見て取れる。
一方、通常のパターンの場合は、ゴミの影響する範囲は限定的だ。実際には文字が欠けているのだが、ほとんど気にならないレベルだ。
反転パターンのデザインの場合、印面の掃除を怠っていると、すぐにこのような状態に陥ってしまう。印面の頻繁な清掃が必須となる。
まとめ
シャチハタXスタンパーの弱点ということで話を進めて来たが、実はこれはシャチハタに限ったことではなく、ゴム印を始めとするスタンプ印全般に見られる傾向である。
この世に完璧な人間が存在しないのと同様に、完璧な製品などというものは存在しない。
出来るだけ、スタンプ印が苦手とする「ベタ塗り」や「白抜き文字」が含まれないデザインを採用することを心掛け、快適に捺印できることを優先して欲しい。
職業柄、観光地などに設置してある記念スタンプを見つけると、つい印面を見てしまうわけだが、ときに捺印することが難しいと思われるデザインのスタンプに出会うことがある。なぜ販売店はデザインについて助言をしなかったのか、もどかしさに心が憤る。
スタンプひとつで子供達を笑顔にすることも出来る。
相性の悪いデザインを採用するのではなく、誰もが簡単に捺印できるよう仕上げることによって、スタンプ印がひときわ輝きを放ち活躍することを願うばかりである。
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