昨日は、スタンプ台に関するマニアックな情報をお届けしたのですが、その続編としてカラーバリエーションについてもご紹介しようと思い立ちました。
せっかくならば、実際に捺印した見本もお見せしようと準備を始めたのですが、筆者が使っているゴム印がどれもインクが固まって真っ黒になっており、まずは掃除をしないことには捺印のテストも始められないという厳しい現実にぶつかりました。
そんな訳で今日は急遽、ゴム印の掃除についてお届けして参りたいと思います。
いやぁ、ブログのネタはどこに転がっているか分からないものですね。
まずはゴム印を掃除する前の状態を確認
実はですね、クリーニング前の写真を撮っていないんですよね。
途中で、「あ、これをブログに書こう!」と思ったものの、ほとんど作業が終わりつつある状態でしたので、似た状態のゴム印を撮影してみました。
状態としては、そんなにひどくはないのですが、細かなホコリやゴミがインクと共に固まっているのが分かります。
このようなクソ汚れたゴム印を、美しくカラフルなスタンプ台に押し付けるような卑劣な行為は、私にはとてもできません。
というわけで、クソ汚れたゴム印を綺麗にお掃除しましょう!
ゴム印は専用の溶剤を使って掃除しよう!
ゴム印の印面を掃除するには、専用の溶剤を使用することをお勧めします。
時々、「アルコールで掃除すればOK!」などとドヤ顔でSNSに投稿している人がいますが、それは絶対にやってはいけません。取り返しがつかないNG行為です。
あとで詳しくご説明しますが、ゴム印面をアルコールで掃除してしまうと、ゴムが膨張して綺麗に捺印できなくなる可能性が高いです。
これがゴム印用の溶剤ですが、私共は業務で使いますので大瓶ですが、一般の方には多すぎますので55ml入りの小瓶がお勧めです。
こちらから購入できます → TATシリーズ
この溶剤をティッシュに浸み込ませて、印面をトントンと軽く叩くようにして表面に固まったインクをゆっかり溶かしていきます。横にゴシゴシやってしまうと、ゴムが欠けたりすることがありますので、やさしくお掃除してあげてください。
ティッシュを何度か交換しながら掃除をしますと、ほらこんなに綺麗に、わお♪
約10年程使っているゴム印ですが、とってもキレイになりましたね。ウホッ♡
さらに「練り消しゴム」を使うとより綺麗になるのですが、軟らかいタイプの練り消しゴムですと、ゴムに貼り付いて取れなくなることがありますので、硬いタイプがお勧めです。
(溶剤で綺麗にした後はヤバイくらい強く貼り付きますので、きっと後悔することになると思います)
その他には、セロテープの粘着面でペタペタとするのもお勧めです。
セロテープはOKですが、ガムテープはNGです。
ガムテープは接着力が非常に強いので、ゴムが引きちぎれてしまうことがあります。年数の経過しているゴム印は、ゴムが硬化してもろくなっていることがありますので、簡単に欠けてしまいます。
取り返しが付かなくなってしまいますので、ガムテープで掃除するのは絶対にやめてくださいね。
ゴム印をアルコールで掃除してはいけない理由
さて、当ブログ恒例のそこらの判○屋や文○店も知らない、マニアック情報コーナーの始まりですよ。
えー、まずはゴムの構造について理解を深めていきましょう。
ゴムは、以下の図のような網目の構造を持っています。
このような構造をしているので、ゴムは伸びたり縮んだりすることができるのだそうです。
液体がゴムと接すると、この網目構造の中に侵入しようとします。侵入のしやすさは液体の特性によって異なるのですが、ある濃度のアルコールは容易に網目の中に侵入してしまいます。
すると、このような状態になり、ゴムが膨張してしまいます。
「膨潤」と言うのですが、こうなりますとゴムは元には戻りません。
ゴム印の場合は、こんな感じになります。左が正常なゴム印、右が膨潤したゴム印です。
ゴムが膨らんでしまうと、エッジがあいまいになる様子がイメージできますでしょうか?
膨らんだゴムは、紙に押し付けても面が均一に接地しませんので、エッジの部分がぼやけたような印影になってしまいます。
膨潤を避けるために、ゴム印はアルコールを使用せず、専用の溶剤で掃除しましょう!
大事なので、もう1回言いますよ。
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おまけ
普通のゴム印に朱肉(印鑑用のやつ)を付けると、朱肉の油がゴムを膨潤させます。
朱肉を使用する場合は、耐油性の高いゴムでゴム印を作りましょう!
(当店の場合は、耐油ゴムで作ると料金は3割増しになります)
おわり!