インクが浸み出るシャチハタのゴムのつくり方

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シャチハタのゴム

毎日当たり前に使っていると、見過ごしがちなことですが。

雨合羽や長靴など、一般にゴムで出来ている製品は、液体を通さないのが普通ですよね。

ところが、シャチハタの印面はゴムで出来ているのに、なぜかインクが浸み出てきます。

一体どうなっているのでしょうか?

ゴムなのにインクを通す秘密

液体を通さないはずのゴムで出来ているにも関わらず、インクが浸み出てくる秘密は、ゴムに無数に開けられた微細な穴にあります。その小さな穴がインクの通り道になっているのです。

では、ゴムの中に、どうやってそのような連続した微細な穴を開けているのでしょうか?

「塩」を使って穴を開ける

実は塩を使って穴を開けています。

そう、あなたの家にもある食塩です。

ゴムの元となる「生ゴム」は、ガムのように柔らかく自在に形を変えることが出来る性質があります。それに硫黄を混ぜて、熱を加えながらプレスすると、一定の形に固まり、私たちが知っているゴムになります。

シャチハタ用のゴムは、次のような方法で作っているそうです。

1. 素材のゴムに塩を混ぜる

シャチハタ用ゴム-01

素材のゴムが柔らかいうちに、塩を混ぜます。

塩の粒子の大きさや量は企業秘密だそうです。

2.熱を加えながらプレスして成型する

シャチハタ用ゴム-02

熱を加えながらプレスして成型します。

塩は熱に強いので、ゴムの中にそのままの形で残ります。

ちなみに塩の代わりに砂糖を使うと、熱で溶けてしまい役に立たないそうです。デンプン粉は焦げてバリバリになってしまい、カチカチのゴムになりNGとのことです。

3. お湯で塩を溶かし出す

シャチハタ用ゴム-04

塩を含んだゴムをお湯に入れると、塩が湯に溶けて塩の粒子があった場所は空洞になります。

そうです! その空洞がインクの通り道になるのです。

塩ならば、熱に強く、水によく溶け、その上粒子の大きさを調整すれば穴の大きさもコントロールできるので、まさに最適な素材なのだそうです。

この製法の完成までに、何千回も素材を混ぜたり、こねたり、試行錯誤に数年を要したそうです。

4. 乾燥させる

シャチハタ用ゴム-05

熱を加えながらしっかり乾燥させます

シャチハタ印には、油性インクを使用しますので、水分が大敵です。

5. 真空を利用してインクを浸み込ませる

シャチハタ用ゴム-06

良く乾燥したスポンジ状のゴムにインクを浸み込ませようとしても、そう簡単には入っていきません。特にシャチハタ印用のインクは粘度が高いため、インクに浸けたくらいでは全く浸み込みません。

ゴムをインクの中に沈ませておいて、特殊な装置を使ってまわりを真空にします。するとゴムの空洞内にある空気が吸い出され、それと入れ替わるようにインクが浸透していきます。

まとめ

塩を生ゴムに混ぜて成型し、その後お湯で塩を溶かすことによって空洞ができ、それがインクの通り道になるということです。

これだけ情報があれば、素材となる生ゴム、硫黄、カーボン(硬さ調整でしたっけ)に加え、ヒーター付きのプレスと真空ポンプ、さらにゴム印面に文字や線を彫刻するレーザー加工機があれば、ご家庭でも簡単にシャチハタが作れますね。

あいにくそういった機材をお持ちでない場合は、あきらめてシャチハタの完成品を購入しましょうね → 超特急2日仕上げのシャチハタ通販ショップ 一心堂印房

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